不登校

かなり長くなるけど吐き出したくなった。
もう何年も前の話、学校の休み時間にサッカーをしていると、誘ってないのに入ってくる奴がいた。そいつはボールをあさっての方向に飛ばすし、勝手なことを始めて輪を乱すしで、正直ウザかった。だからある日言ってしまった。お前は入るな、と。
その翌日からそいつは学校へ来なくなった。
先生とそいつの親によると、もっと小さい頃はみんなが仲良くしてくれたのに最近急にしゃべってもらえなくなった、仲間に入れてもらえなくなった、休み時間にサッカーをするのだけが楽しみで学校へきてるようなものだったのに、それを拒否られたらもう学校へ行く意味はない、と思っていたのだそうだ。

そいつをウザいと思ってたのも俺だけじゃない。でも、それを口に出してしまったのは俺だけ。
だからそいつの口からは俺の名前だけが出た。来ないのは俺のせいになった。何故だかわからないがみんなが遊んでくれなくなって寂しい思いをしてたところへ、〇〇君にとどめを刺されたというわけだ。お前のせいで不登校になったのだと、先生達からも言われた。

今思えば、あいつはいわゆる発達障害、もしくはグレーだったんじゃないのか。だから年齢と共に俺たちとは心の成長がズレてきて一緒にいても面白くなくなった。みんなが自然と離れて行った。ボールを飛ばして取りに行かせて悪びれないのも、しっくりくる。6年生にもなって、運動神経は良くないから上手くもないのに、休み時間のサッカーだけを楽しみに学校に来るなんて普通ないだろ。

なんとか卒業式には来れるようにとみんながいろいろ動いた。俺にはもちろん平謝り以外の選択肢はない、なんせ俺のせいで不登校にしてしまったのだから、そいつが学校に来るまで俺に出来ることを断る事と、言い訳をする権利なんかないのだ。親にもずいぶん頭を下げさせてしまった。
何日か経ち、気が向いた時に30分〜、1時間〜、ちょっとサッカーをして帰る日が少しずつ増えて、卒業式には式の時間だけ体育館にいた。
卒業式に来れてよかったねと、みんなは言った。

その後そいつは地元の中学へは進まず、たぶん支援学校のようなところへ行ったのだと思う。俺は親に言った言葉を覚えてる。
「どこかしらないけど私立に行くって。名前さえ書けば受かるんだって」という報告をした。

どんなに腹が立ってもあの一言を言わずに、もっとうまい接し方があったのだろう。でも、この子はこういう子だからというカミングアウトもされてないし、俺も子どもだったし、俺にとってはただただ、遊んでも面白くないやつ、サッカーに入ってきては好き勝手やって謝らないやつ（ボールを取りに行く時間で休み時間が減るし）関わりたくないやつ、だったから堪忍袋の尾が切れたんだ。

今ならあいつ自身もわけもわからず、生きづらかったのかもしれないと想像することができるが、あいつの親ももっと早くにできる事があったんじゃないのか、という思いと、先生たちが俺を守ってはくれなかったという事、何年経とうが俺だけが加害者だという既成事実は変わらないことへの、理不尽さは今も消えない。

長文ごめんなさい。

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